その日は会社が終わったあと大学時代の友人とご飯を食べに行く約束をしていた。仲良し4人組が1年ぶりに集合できるということで、すごく楽しみにしていた。だから朝から気合を入れてオシャレをしてきたのだけど…どういうわけか昼休み後くらいから、体がフラフラすることに気づいた。二十数年生きてきた経験でわかる、これはやばいぞという予感もする。するとその悪い予感は当たり、次第に悪寒を感じ、体がブルブルと震えてきてしまった。あぁ、よりにもよってこんな日に…。

友達にLINEをし、体調悪化で今日行けなくなるという旨を伝えた。そして上司にお願いして、その日は早退させてもらうことにした。

帰りのタクシーの中でも悪寒は止まらず、気分も悪くなってきた。早く家に帰ってお布団に入って沈むように眠りにつきたい…。だけどそれは叶わなかった。自宅マンションに着いたとき、私の家の玄関前には数人の人がいた。意識が朦朧となりながらも思い出す。この人たちは確か、マンションの管理人さんと下の住人だ。するとマンションの管理人さんが、「お宅のトイレ、水漏れしてるみたいなのよ。下の階にまで水が漏れちゃっててさ」と言った。あぁ、よりにもよってこんな時に…。玄関を開けてトイレに行くと、何故か水道管のつなぎ目のところから水がボタボタとこぼれていた。「帰ってきてくれてよかったよ、合いカギで入っちゃおうかって話してたところだったから」と管理人さんが言った。トイレの水漏れはいつ起こるかわからないから恐ろしい。もし具合が悪くならずに友人たちとご飯に行ってたら、被害がもっと拡大していたかもしれないし、家主不在中に家に入られていたかもしれないと思うと、具合が悪くなったのも何かの示し合せなのかなと思った。それから業者さんに来てもらって応急処置をし、壁の修理も必要かどうかを合わせて話し合いをし、やっとベッドに入れたのはそれから数時間後のことだった。

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